コンプレッサー方式の除湿機は低温では効率が悪くなります。そのため冬場などの除湿にはデシカント方式やハイブリッド方式が適しています。
しかし、コンプレッサー方式であっても冬場の除湿に対応した除湿機もあります。
今回はコロナの除湿機コロナCD-H1820と三菱電機のMJ-P180RXの冬モードを比べてみました。
コロナCD-H1820と三菱電機MJ-P180RXの冬モードは?
コロナCD-H1820の冬モード
室温が10℃以下の時
- ヒーターを使いで吹き出す風の温度を上げた最大風速で除湿効果を高めます。
室温が10℃以上の時
- ヒーターは使わすで最大風速除湿効果を高めます。
ヒーターを使用するのは衣類乾燥運転で速く乾か沸かしたいときや、厚手の衣類乾燥時にも使用します。衣類乾燥運転には冬モードはありませんが、やっていることは同じです。
ヒーターを使うメリットとしては除湿効果の向上がありますが、デメリットとしてヒーターによる電気代がかかる点です。
10℃以下で冬モードを多用すれば電気代が高くなることに注意が必要です。
三菱電機MJ-P180RXの冬モード
除湿能力を「強」よりさらに風速を上げて除湿量を10%アップします。
低異音時でも除湿可能にするため「自動霜鳥」で熱交換器の霜取りをおこない1℃から除湿運転ができます。
消費電力(max)を比較
コロナ | 三菱 | |
~10℃ | 310W | 425W |
10℃以下 | 610W | 425W |
-10℃でコロナと三菱の消費電力(max)は逆転します。コロナはヒーターが冬モードで入るからです。コロナか三菱化を選ぶときは冬モードを考慮したほうがいいようです。
冬モードにすればデシカントやハイブリットに比べメリットはあるか?
10℃を下回った状態では、いくら風量を上げて除湿量のアップには限度があります。コンプレッサー方式では低温になれば除湿能力が落ちるのは原理上仕方ありません。三菱では10%アップぐらいですが、コロナも同じぐらいだと思います。
コロナCD-H1820湿度60%の時の温度と除湿量の関係
三菱J-P180RX湿度60%の時の温度と除湿量の関係
上のグラフはコロナと三菱それぞれの温度と除湿量の関係を表したものです。大雑把に見れば同じようなグラフといっても良いと思います。
ここで10℃の場合の除湿量を見ると60Hzではザックリと5L/日、5℃では2L/日程度です。
デシカントの除湿量は室温の影響を受けにくいのが特徴ですが、除湿量は5~7L/日程度の小さなものがほとんどです。仮にデシカント方式での除湿量を7L/日とした時は、コンプレッサー方式では15℃前後に相当します。
凄く大雑把ですが、先のデシカント方式のものと比べ、コロナや三菱の除湿機の場合、15℃を下回るとどんどん差がついてくることがわかります。
室温が5℃までになると除湿量の差はかなり大きくなります。
冬モードにして除湿量を10%程度のアップしたぐらいでデシカントとの差は縮まらないということです。
結局のところ除湿量に関して言えば、冬モード搭載したコンプレッサー方式の除湿機であっても、デシカント方式やハイブリッド方式の除湿機に対するメリットなしと考えられます。
まとめ
- コロナも三菱も冬モードは風速を上げて除湿量をアップする点は同じ
- 違いは、コロナ10℃以下ではヒーターで温風を出す点
- またコロナはヒーターを使用するため、10℃以下の冬モードでは電気代が三菱より多くなる
- 冬モードは、他のコンプレッサー方式の除湿機に比べ除湿量がアップするとメリットがある
- 低温では冬モードにしてもデシカント方式やハイブリッド方式に比べメリットはほぼない
低温時にもしっかり除湿するなら、いくら冬モードがあってもあまり期待はできないというのが結論になってしまいましたが、コロナと三菱の冬モードの違いはお分かりいただけたと思います。