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洗濯機が停止中にドラムを手で回すとシャワシャワと音が聞こえます。水が溜まっているような音です。水抜きをしても音は無くなりません。
いったい何の音でしょうか?いろいろ調べてみてわかったことをお伝えします。
洗濯機のドラムを動かすときのシャワシャワ音
停止中にドラムを手で動かすシャワシャワと水が流れる音がして、何かおかしいのかなと思うことありませんか?
実はこの音はドラムの中に入ってる液体バランサと呼ばれる液体が流れる音です。取説をじっくりと嫁と必ず説明されているのですが、操作方法は読んでも他は飛ばし読み飛ばしてしまいがちです。
停止時にドラムを動かすと水の音がする(「シャワシャワ」音)に対する各メーカの説明
メーカー | 説明 |
---|---|
シャープ | 脱水時のバランスをとるための部品に封入されている液体の音です |
パナソニック | 脱水時のバランスをとる為にドラムに入っている液体の音(本体に水が残っているわけではありません) |
東芝 | 脱水時にドラムのバランスを取るために入っている液体の音です。 |
日立 | 運転をしていないときに、ドラムを手で回すと、水が流れるような音がします。脱水時にバランスをとるために、バランスリングに入れてある水の音です。 |
ハイアール | 脱水の振動を抑えるために入れてある液体の音です。 |
上の表は国内シェアーを占めている国内企業メーカーや世界シェアトップのハイアールの取説に書かれている内容をまとめたものです。
脱水時にバランスを取り、振動を抑えるためにいれた液体の流れる音と書かれています。手でドラムを回したりゆすったりすれば、その液体が動くので音が出るようです。
結論としては、音がするのは当然で異常ではないということでした。
これで、この音がしても心配しなくても大丈夫です。取説をよく読むと書かれているのですね。
液体(流体)バランサについて(参考)
知らなくても全く困りませんので、興味がある方だけお読みください。
上部リングに入っている液体
ドラムの上部にあるリングには液体が入っています。塩水などを入れて冬場も凍らないようにしています。液体成分はメーカーもよって色々あるようです。
ドラムの中の衣類の片寄り
ドラムが回転すると、中の衣類が移動し偏りが出てくることがあります。そうすると回転に乱れが出て、洗濯機のが大きく振動して運転ができなくなってしまいます。
理屈は車のホイールバランスと同じ
そこで、この偏りの補正が必要になります。基本的に車のホイールバランスと考え方は同じですね。車の場合はバランスウェイトと呼ばれる重りをホイールに貼ります。
洗濯物の片寄りは毎回違う
洗濯機の場合は、洗濯物の方よりが毎回違うので車の様に固定して補正することはできません。そこで自由に動く液体の重さでバランスをとるのです。
液体は片寄りを打ち消す場所に勝手に移動する
洗濯物の偏りがあるとドラムは振れ回り運動しますが、最大の振れを過ぎると洗濯物の片寄り位置と反対側にリング内の液体が移動していきます。
この時、液体の動きを制御するための抵抗板やリングの形状は各社のノウハウになっています。いずれにせよ、これでバランスがとれるようになるのです。
液体バランサを洗濯機に取り入れたのはシャープと三洋
1975年に世界初の液体バランサ搭載の全自動洗濯機が三洋とシャープから発売びされました。初の洗濯機技術です。洗濯機の歴史の中で液体バランサの発明は画期的な出来事でした。いまなお使用されている優れた技術でシャープと大阪産業大学が特許保持者です。
それまでは洗濯物よりずっと重たいコンクリート入りのリングをドラム上部に取り付け多少中の洗濯物が偏っても回転バランスが崩れないようにしていました。液体バランサの登場で洗濯機の重さも5~8kg軽くなったようです。
シャワシャワ音は、当時の日本の技術力がまだ高かった名残ですね。
下記の報告書は洗濯機の技術史を知るうえで参考になります。この記事もこの報告書を参考にしました。
以上、シャワシャワ音のお話でした。ちょっとだけ物知りになると、誰かにシャワシャワ音のことを聞かれても説明してあげられますよ。
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